
デバイス一覧 #
デバイス一覧で、各デバイスを管理することができます。デバイスの追加、ソフトウェア機能へのアクティベート、削除が可能です。
デバイスを追加する #
- 「ADD DEVICE」ボタンをクリックし、画面の指示に従ってインターフェースを選択します。
- デバイスが追加されると、デバイス一覧に表示されます。小さな緑色/赤色のインジケーター(iOSでは利用不可)で接続状態がオンラインかオフラインかを示します。
- 3. チェックボックスが設定されている場合のみ、デバイスはソフトウェア機能で利用可能になります。
注意
- USBデバイスは、PCまたはモバイル機器でデバイスが認識されていれば自動的に検出されます。
- デバイスを削除した場合、同じデバイスを再度追加するにはもう一度追加手順を実施して下さい。
- USB接続はデスクトップPCでのみ利用可能です。
- RS485通信はHygroSoftではサポートされていません。

USBインターフェース #
- 表示されているデバイスを選択するか、デバイスの種類を手動で選び、Finish をクリックします。
- デバイスがデバイツリーに表示されます。
注意
- 接続されたデバイスがリストに表示されていない場合は、SEARCH AGAIN をクリックしてください。
- 一部のデバイスタイプは自動的に検出されません。これらのデバイスは、Device Type メニューから手動で選択する必要があります。


LANインターフェース #
- デバイスの「IPアドレス」または「ホスト名」を入力してください。
- 「FINISH」をクリックしてLANデバイスを追加します。
注意
- LANはデスクトップPCでのみ利用可能です。



NFCインターフェース #
- NFCを選択し、デバイスのNFCアンテナアイコンの近傍にモバイル端末のNFCアンテナまたはNFC-USB-READERアダプターを置き、NEXTをクリックします。
- デバイスを選択し、FINISHをクリックして追加します。
注意
- Rotronicは、PCからHygroSoft使用してNFCデバイスと通信する際に、NFC-USB-READERアダプターの使用を推奨しています。
- NFCデバイスは、PCまたはモバイル端末にデバイスが認識されていれば自動的に検出されます。
- NFC接続が安定しない場合は、モバイル端末のNFC機能を有効にしてください。
- モバイル端末がNFC通信をサポートしていない場合、デバイスは検出されず、追加することができません。


QRコード(Androidのみ) #
- 「QR」を選択し、デバイスのQRコードをスキャンします。
- デバイス情報が表示されます。さらにデバイスをスキャンする場合は、再度「Scan」をクリックします。
- 「Close」をクリックすると、Hygrosoftのメインページが再度表示されます
注意
- HygrosoftはデバイスのQRコードをスキャンし、デバイス情報(品番、シリアル番号、インターフェースタイプ)を表示しますが、デバイスは物理的に追加されていません。


デバイス #
「Device」タブは、追加された各デバイスの主な情報を表示します。
ユーザーは、「ONLINE MANUAL」、「DATASHEET」、「SHORT INSTRUCTION」 ボタンをクリックすることで、さらに詳細な情報を表示またはダウンロードすることができます(利用可能な場合)。
トランスミッターや測定機器に追加のプローブが接続されている場合、そのプローブの情報も表示されます。
デスクトップ

モバイル

ファームウェアアップデート #
新しいファームウェアが利用可能な場合、「Device」タブに「UPDATE」ボタンが自動的に表示されます。
「UPDATE」ボタンをクリックすると、ファームウェアが自動的に更新されます。

測定 #
「Measurement」タブは、実際の測定値をグラフと値で表示します。
注意
- • デバイスがデバイス一覧に表示されている場合のみ、データが表示されます。デバイスが削除され再度追加されると、グラフとテーブルは一新され新たに表示が始まり、古い測定値は表示されません。
- 測定テーブルは最大100値まで表示されます。
- 通信が中断されると、グラフとテーブルにはギャップが表示されます。
- 測定データはエクスポートできません。
デスクトップ

モバイル

構成 #
このタブでは、デバイスの設定をすることができます。
デバイス一覧でチェックボックスがアクティブに設定された各デバイスが表示されます。
モバイル端末は、1つのNFCデバイスのみを表示できます。
デスクトップ

モバイル

Read Button | デバイスの現在の設定を読み取ります。このボタンをクリックすると、設定値や情報の詳細が表示されます |
---|---|
Write Button | 設定をデバイスに書き込みます。表示された設定をデバイスに適用します。 |
Save Button | 表示されている設定をテンプレートとして保存し、他のデバイスに適用できるように保存します。 |
Load Button | 保存されたテンプレートを読み込み、他のデバイスに適用する際に使用します。 |
デバイス設定の変更 #
デバイス設定を変更手順は以下の通りです:
- 「Read」ボタンをクリックして、デバイスから設定を読み取ります。
- 必要なメニュー項目を展開します。
- 関連する設定を変更します。
- 「Write」ボタンをクリックして、変更した設定をデバイスに書き込みます。
注意
- 新しいデバイスを追加すると「Write」ボタンは非アクティブになります。書き込む前に、デバイスを読み取るか、テンプレートをロードしてください。
デバイスのマルチ書き込み #
複数のデバイスに同じ設定を適用したい場合に使用する機能です。
- 書き込み設定を定義します(最初のデバイスを読み取るか、定義されたテンプレートをロードしてください)。
- 各デバイスに現在の設定を読み取ることなく新しい設定を書き込みます。これにより時間が節約され、デバイス間で設定の差異を避けることができます。
注意
- 各デバイスの設定は上書きされ、マルチ書き込みを使用しても元に戻すことはできません。
テンプレートの作成 #
- 正しい設定を定義します。設定が「基準デバイス」を読み取るのが一つの方法です。
- 「Load Button」をクリックします。

テンプレートの定義 #
- テンプレートの名前を定義し、「SAVE」をクリックします。
テンプレートの読み込み #
- 「Load」をクリックします。
- テンプレートを選択し、「OPEN」をクリックします。

ゴミ箱アイコンをクリックしてテンプレートを削除することができます。
ロギング #
「Logging」タブでは、データロガーの制御とログデータの管理を行います。ログの開始、停止が可能で、データのダウンロード、分析、削除、レポートの作成も行えます。
デバイツリーにデータロガーを追加/アクティブ化すると、次のページが表示されます(HL-1Dの例)。

デバイス固有のログウィジェット #
データロガー固有のウィジェットは、データロガーから直接提供される機能と情報を表示します。
この情報には、デバイスの識別情報(シリアル番号)、バッテリーステータス、時刻同期の状態、ログ状態などが含まれます。これらの情報は、「サポートされるデバイス」の各サブセクションで説明されています。
Start Button | ロギング開始 |
---|---|
Stop Button | ロギング停止 |
Download Button | デバイスに保存されているログデータをダウンロードし、ログ機能(例:データ分析やレポート作成)に使用することができます。 データをアプリ内のデータベースに永続的に保存するには、Saveボタンを使用してください(下記のデータウィジェット参照)。 |
Delete Button | デバイスに保存されているログデータを削除 |
Sync Button | データロガーの時刻をPCの時刻と同期 |
各データロガーには、Hygrosoftウィジェットが表示されます。

同じタイプのデータロガーを複数追加すると、それらのロガーは同じウィジェットに一覧で表示されます。

接続された複数のタイプのロガーは、このように表示されます。

データウィジェット #
このウィジェットでは複数のデータロガーのログデータを扱うことができます。例えば、データロガーに保存されたログデータやデータベース内のログデータ(過去のログデータなど)の比較、分析、エクスポート、インポートが可能です。
Import Button | *.xls や *.csv フォーマットのログデータをインポートします。 |
---|---|
Load Button | アプリ内データベースに保存されたログデータを読み込んで、操作を行います。 |
Save Button | ダウンロードしたログデータやインポートしたデータをアプリ内データベースに保存します。データはデータベースに残り、後で使用することができます。 |
Delete Button | データベース内のログデータを削除します。 |
Clear Button | データ分析(チャートや統計)を閉じます。 |
TXT (CSV) Report Button | TXT(CSV)レポートをエクスポートします。 |
PDF Report Button | Excelレポートをエクスポートします。 |
Excel Report Button | Excelレポートをエクスポートします。 |
!(赤色) | 一つ以上のアラームが発生しています。 |
レポートの期間 (開始時間 / 終了時間の入力ウィンドウ) |
CSVまたはPDFレポートのログデータの正確な時間範囲をここで定義します。 |
注意
HygroSoftは内部ストレージを持っています、生成されたすべてのレポート(PDF、CSVなど)が内部ストレージに自動的に保存されます。ローカル保存場所は次のパスです:
%UserProfile%\AppData\Local\Packages\Rotronic.Hygrosoft_\LocalState\Report

データ分析 #
利用可能なログデータ(データロガーから、データのインポートから、またはアプリ内データベースから)は、チャートと統計を使用して分析できます。
Count(カウント) | 測定の回数 |
---|---|
Interval(間隔) | 測定間隔 |
First item(最初のアイテム) | 最初に測定されたデータのタイムスタンプ |
Last item(最後のアイテム) | 最後に測定されたデータのタイムスタンプ |
Minimum(最小値) | 測定値の最小値 |
Maximum(最大値) | 測定値の最大値 |
Average(平均値) | すべての測定値の平均 |
Std Deviation(標準偏差) | 標準偏差 |
MKT(平均運動温度) | 平均運動温度 |

校正 #
校正は、測定値を基準器と比較するプロセスです。その結果として、測定値、基準値、およびその偏差(測定値 – 基準値)が得られます。
校正は測定作業であり、測定機器を補正したり改善したりするものではありません。
校正を行うためには、校正対象(被試験器)の測定器をデバイス一覧に追加し、アクティブにして下さい。
Hygrosoftは複数校正もサポートしており、複数の測定器を同時に基準器に対して校正することができます。

環境 #

Calibration Parameter | 測定単位を選択してください(校正する単位) |
---|---|
Tolerance Lo/Hi and Absolute/Percent | 校正のPASS/FAIL基準となる許容範囲(低/高)および絶対値/パーセント |
Input Calibration/Output Calibration | 調整前/後の校正。この機能は、ユーザーが校正の種類を区別し、測定機器のメンテナンスプロセスをサポートします。 |
Comment | ユーザーが個別のコメントを入力できるフィールド |
基準 #

Reference | 選択する基準器 |
---|---|
Manual Input (手動入力) |
Hygrosoftで読み取ることができない基準を使用する場合に使用します。ユーザーは測定値を読み取り、それを手動で入力する必要があります。オプションとして、デバイス一覧に追加およびアクティブ化された他のデバイスを基準として使用することもできます。 |

Reference Info(基準情報) | 基準入力の種類に関する情報。 |
---|---|
Reference value(基準値) | 手動で入力された値、または基準から読み取った測定値。 |
校正 #

基準値が利用可能な場合(手動入力またはデバイス一覧の中から)、「Calibrate」ボタンをクリックして測定器の校正が行えます。
測定値が許容範囲外か範囲内かに依存して、結果は赤または緑で表示されます。
校正履歴 #

「Calibrate」をクリックすると、校正ポイントが校正履歴に記録され、アプリ内データベースに保存されます。
注意
これらの校正データはアプリ内データベースに保存されます。測定器がデバイス一覧から削除されると、その校正データも削除され、再利用できなくなります。
レポート/ロード/消去 #

校正履歴で1つ以上の校正についてチェックボックスを設定すると、レポート、ロード、削除ボタンがアクティブになります。
Report button | 校正レポートを作成できます。 |
---|---|
Load button | 例えば、古い校正データを読み込んで比較したり、レポートに追加したりできます。 |
Delete button | 校正データを校正履歴から削除できます。この場合、校正データはデータベースから削除され、再利用できなくなります。 |
調整 #
ユーザー校正はお客様の責任の範囲で実施して下さい。
ユーザー校正を実施した場合は、メーカー校正は無効になります。
調整は必ず温湿度が完全に平衡状態になったことを確認して実施して下さい。
ユーザー校正はメーカーから認定を受けた技術者が実施して下さい。
調整の目的は、測定機器の測定品質を向上させることです。測定誤差(測定値と基準値の差)を取得し、その誤差を補正するために行われます。
測定器に応じて、湿度、温度、差圧など、複数の測定単位が利用可能です。
また、測定器に応じて、1つまたは複数の測定ポイントを取得することができます。詳細については、「サポートされているデバイス」をご確認ください。
調整対象の測定機器は、デバイス一覧から選択(追加およびチェックボックスをアクティブ)する必要があります。
Hygrosoftは複数調整もサポートしており、複数の測定器を同時に基準器に対して調整することができます。

基準 #

Adjust Parameter(調整パラメータ) | 例えば、湿度や温度など、調整するパラメータを選択します。 |
---|---|
Reference(基準) | 基準器を選択します。 |
Manual Input(手動入力) | Hygrosoftで読み取ることができない基準器を使用する場合に選択します。ユーザーは測定値を読み取り、それを手動で入力する必要があります。オプションとして、デバイス一覧に追加およびアクティブ化された他のデバイスを基準として使用することもできます。 |

Reference(基準) | 選択した基準入力に関する情報。 |
---|---|
Reference value(基準値) | 手動で入力された値、または基準から読み取った測定値。 |
調整 #
Device(デバイス) | 調整する測定器。このリストに機器を追加するには、デバイス一覧に測定器を追加してアクティブ化(チェックボックスをオン)する必要してください。 |
---|---|
Measured(測定値) | 測定値、測定間隔ごとに更新されます。 |
Reference(基準値) | 基準の測定値。 |
Difference(差分) | 測定値と基準値との差(測定誤差)。 |
Trend(傾向) | 測定値が安定しているかどうかを示します。 これは傾向の期間と安定性によって定義されます。詳細については「Extras(追加機能)」をご確認ください。 |
Acquired(取得済み) | 取得したポイントのカウント / 最大取得可能ポイント数。 |
Status(ステータス) | 調整のステータスメッセージ。 |

One-point-adjustment(1点調整) #
1点調整とは、特定の1つの条件下で取得/調整が行われることを意味します。この調整は、機器の測定範囲全体にオフセットを与えます。
手順
- 測定器をデバイス一覧に追加/アクティブ化
- 基準値を取得
- 安定を待つ(緑の矢印で示された傾向)
- 「Acquire(取得)」をクリック(取得ポイントカウンターが1つ増えます)
- 「Adjust(調整)」をクリック(取得ポイントカウンターが0にリセットされ、チャートにオフセットが表示されます)
Multi-point-adjustment(複数点調整) #
この調整では、異なる条件下で複数の測定ポイントを取得し、広範囲の測定範囲で調整を行います。
調整後、測定器は以下の方法で調整を行います:
- 取得した測定ポイントでは、調整値は測定誤差と等しくなります。測定誤差は完全に補正されます
- 2つの取得した測定ポイントの間では、補正率は両隣の取得ポイントでの測定誤差間で補完されます。
- 取得した測定ポイント外では、調整値は外挿されます。
Multi-device-adjustment(複数デバイス調整) #
1点調整と複数点調整は、1台または複数の測定器に対して同時に実施することができます。
注意
- すべての測定器が安定した環境条件(傾向)下にあることを確認し、すべての測定器が希望する調整をサポートしていることを確認してください。
- 最初に1つ目のポイントを取得して調整し、その後2つ目のポイントを取得して調整するのは避けてください。この場合、最終的に取得されたポイントのみが調整に反映されます。
Adjust Info(調整情報) #
調整情報には、工場出荷時に行われた調整や最後のユーザー調整に関する情報が表示されます。基本的には、最後のユーザー調整に関する情報のみが表示されます。
取得ポイントはデータの取得直後にのみ表示されます。調整が完了した後(「Adjust(調整)」をクリック後)すると取得ポイントは表示されなくなります。

Refresh button | 表示されている調整情報を更新します。 |
---|---|
Reset | ユーザー調整を削除し、機器を出荷時の状態に戻します。 |
Delete | 調整自体ではなく、取得したポイントのみを削除します。ユーザーが複数のポイントを取得し、それを削除したい場合、「すべて削除」または「最後に取得したポイントを削除」を選択します。調整が完了した後、この削除機能は無効(ボタンがグレーアウトします)になります。 |
水分活性測定 #
Hygrosoftは、オプション機能として水分活性(Water Activity)を提供しています。
注意
この機能はWindowsプラットフォームのみで利用可能で、ライセンスが必要です。詳細については「Extras」(設定 -> Aw機能)を参照してください。

定義 #
製品の水分含有量は、水分が製品の乾燥重量に対して占める割合として定義することができます。
水分を含んだ製品は、吸湿性(hygroscopic)と非吸湿性(non-hygroscopic)の2つに分類することできます。吸湿性材料は、例えば塩類、植物繊維、ほとんどの金属酸化物や高分子膜物質などが該当します。非吸湿性製品は、例えば金属粉末、ガラス粒子などが該当します。
製品の水分含有量に関して、「平衡状態(static equilibrium)」とは製品と周囲環境の間で水分が移動しない状態を指します。平衡状態下では、吸湿性製品の水分含有量は製品の性質と以下の2つの要因に依存します:
- 製品周囲の水蒸気分圧
- 製品温度
製品の水分含量がこれら2つの要因に依存しない場合、その製品は吸湿性ではありません。
吸湿性製品は、次のような要因で水分を吸収することがあります:水分を含む物質の形成、表面エネルギーによる結合、材料構造内での水分子の拡散、毛細管凝縮、溶液の形成など。
吸収過程によって、水分は製品に強くまたは弱く結びつきます。水分含有量は、移動不可能な部分(例:水和水)と活性部分の両方を含むことがあります。
Aw = p / ps および %ERH = 100 x Aw
p:製品表面の水蒸気分圧
ps:飽和圧、または製品温度の水蒸気分圧
水分活性は、「水分含有量の活性部分」または「通常の条件下において製品と周囲環境との間で移動可能な部分」を示します。
水分活性は通常、静的平衡条件下で定義されます。この条件下では、製品の表面での水蒸気の部分圧(p)は、製品の周囲環境の水蒸気分圧と等しくなります。製品と周囲環境との間での水分移動は、これら2つの分圧の差によって駆動されます。
水蒸気は、ガスまたはガス混合物にも存在することがあります。ガスの相対湿度は、次のように定義されます:
%RH = 100 x p/ps
ここで(p)はガス混合物中に存在する水蒸気の部分圧、(ps)はガス温度の水蒸気の飽和圧または分圧です。
水分活性と温度 #
水分活性(材料)および相対湿度(ガス)は、純水における水蒸気の飽和圧力(ps)または分圧に依存します:
Aw = p / ps
%RH = 100 x p/ps
飽和圧力(ps)は温度に強く依存します。通常の室温下では、温度が1℃上昇するごとに飽和圧力(ps)は約6.2%増加します。水蒸気で飽和していない開放された環境では、水蒸気分圧(p)は温度の影響を受けず変化しません。閉鎖環境では、水蒸気分圧(p)は温度(K温度 = ℃温度 + 273.16)に比例して変化します。通常の室温下では、℃温度のわずかな変化による水蒸気分圧(p)の変化は実質的に無視できます。しかし、温度の変化を受けて飽和圧力(ps)が変化する一方で水蒸気分圧(p)は変化しないため、ガスの相対湿度(%RH = 100 x p/ps)は温度に強く依存します。95%RHおよび室温では、温度が1℃上昇すると相対湿度は約6%RH減少します。50%RHでは、同じく温度1℃の上昇で相対湿度が約3%RH減少します。
多くの吸湿性製品の水分活性は、温度に強く依存しません。室温条件下における研究データでは、温度が1℃変化した場合、水分活性は通常約0.0005〜0.005 Aw(0.05〜0.5%RH)の範囲でしか変動しないことが示されています。
これは、吸湿性製品の表面での水蒸気分圧(p)が温度に依存して変化するという事実に起因します。吸湿性製品上では、水蒸気分圧(p)の温度変化の大きさは純水上の飽和圧力(ps)の変化の大きさと似ていいます(ただし、正確に等しいわけではありません)。
温度変化は、吸湿性製品上の水蒸気分圧を変化させますが製品上の空気分圧はほとんど変化しません。したがって、吸湿性製品の温度変化は、製品と周囲空気(またはガス)との水分移動が起こる原因となります。水分は、製品表面および空気中の水蒸気分圧が等しくなるまで移動されます。水分活性を測定する際は、温度をできるだけ一定に保つことが重要です。
アプリケーション #
水分含量の活性部分、つまり水分活性は、食品や種子などの腐敗しやすい製品の微生物学的、化学的および酵素的な安定性に関して水分含有量よりも優れた情報を提供します。同じ理由で、水分活性は製薬業界でも重要な検査項目であり、錠剤やカプセルの凝集性やコーティングに関する有用な情報を提供します。
水分活性は、製品(紙、写真フィルム)の形状変化の防止や吸湿性粉末(粉糖、塩)の固形化を防ぐために、周囲空気の相対湿度と直接比較することができます。
水分活性は、複数の製品(主に合成製品)で、水分含有量を間接的に測定する手段として使用できます。これには、吸着等温線を作成することが必要です。吸着等温線は、一定温度での水分活性と水分含有量の関係を示すグラフです。多くの自然製品では、再現可能な吸着等温線を信頼性を持って作成することができないため、水分活性は水分含有量とは別のものと捉えるべきです。
水分活性測定モード #
一般
Hygrosoftは、2つのモード(AwEモードとAwQuickモード)で水分活性を測定します。
AwEモード
このモードでは、Hygrosoftは温度と湿度の安定性をモニタリングします。湿度と温度が平衡状態に達すると、測定は自動的に終了します。ほとんどの製品は自然(または静的)平衡に通常45〜60分が必要で、場合によっては数時間かかることもあります。
Hygrosoftは以下の作業を行います:
- 湿度信号を常に監視します。
- 温度信号の安定性を常に監視します。
- インターバル(待機時間)後、Hygrosoftは湿度データを使用して平衡プロセスの最終的な値(水分活性)を予測します。予測されたAw値が安定すると、測定は自動的に終了します。
待機時間を4分に設定した場合、測定には通常約5分かかります。温度条件が安定している場合(製品とプローブの両方)、AwQuickモードで取得した測定値は、完全な平衡を待って得られる測定値(AwEモード)と通常±0.005 awの範囲で一致します。
水分活性測定器 #
HygroSoftと互換性のある水分活性測定器は以下の機種です。
- AwTherm
- HC2-AW
- HC2-AW-USB
- HC2A-AW
- HC2A-AW-USB
HC2(A)-AWおよびAW-Thermを使用したAW測定 #
一般
AWプローブ(HC2x-AW-x)はAW測定器に使用します。これらのAWプローブは、指定された環境における水分活性を測定します。
AW-Thermはプローブと非常に似た仕組みで動作します。AWプロセスと異なるポイントは、AW-Thermチャンバー内のマイクロクライメートの目標温度を設定できる点です。
AW設定
- モード – AW測定モードの章を参照してください
- Aw安定性 – AW測定モードの章を参照してください
- Aw温度安定性 – AW測定モードの章を参照してください
- 温度設定値 – AW-Therm専用。AW-Thermチャンバー内のマイクロクライメートの目標温度を設定します
- プラス記号 Hygrosoft_AW3 – 新しいAW設定で次のAWプロセスステップを追加します。AW-Therm専用
AW probe | AW-Therm |
---|---|
![]() |
![]() |
開始、リセット、レポート、バッチ番号、製品名、コメント
- バッチ – ユーザーは事前に定義されたテストシーケンスの説明を入力できます
- 製品 – ユーザーは製品の説明を入力できます
- コメント – ユーザーはシーケンスに対して追加のコメントを入力できます
- 開始ボタン – テストシーケンスを開始できます
- リセットボタン – 実行中のプロセスをキャンセルできます
- レポートボタン – Awプロセスの終了時にPDFレポートを作成できます

その他 #
一般
「エクストラ」をクリックすると、以下のメニューが表示されます。

NFC Powerless
詳細については、NFC Powerlessをご覧ください。
Hygrosoft設定
メニュー「エクストラ」->「設定」をクリックすると、一般的なソフトウェア設定が表示されます。

単位
- 温度単位は℃と℉で切り替え可能です
- 圧力単位を選択できます
- 相対湿度単位は手動で入力できます
ディスプレイ
- 小数点 – 測定値の小数点以下の桁数を設定します
- トレンド期間 – 時間(秒単位)。安定性の考慮時間枠(最小値はモニター間隔の3倍)
- トレンド安定性 – 測定された平均からの偏差(%RH)。トレンドインジケーターは、トレンド範囲内で測定値が±トレンド安定性の範囲内に収まっている場合、安定と見なされます。水分活性(AW)測定の場合、この値は自動的に%RHからaw値に調整されます。例えば、0.1(%RH)は0.001 awに変換されます
- カラーテーマ – システムは自動的にデバイスのカラーテーマを選択します。ライトモードまたはダークモードを選択すると、選択したカラーテーマに永続的に設定されます
測定データ
- モニター間隔 – 測定機器がデバイス一覧に追加され、アクティブ化されている各測定機器への測定リクエストのインターバル
言語設定
- 言語 – ソフトウェアの言語を選択できます
AW機能
- AWライセンス – ここにAW水分活性ライセンスを入力します。詳細については、「水分活性」章を参照してください
ヘルプ
- 詳細なオンライン情報はここで確認できます

情報
このメニューは、Hygrosoftのバージョンを表示します。
その他の情報には以下が含まれます:
- 著作権
- 印刷情報
- データプライバシー声明
- オープンソースソフトウェア
NFC無効 #
この機能は、NFCをサポートするデバイスでのみ利用可能です。詳細については、こちらをご覧ください:サポートされているデバイス
NFC対応デバイスでは、以下の方法でNFC無効化機能を使用できます:
- NFC-USB-READER:PCおよびNFCインターフェースを備えた送信用のUSBケーブル付きNFCリーダー
- スマートフォン(NFC対応)+ HygroSoftアプリ:NFC対応のスマートフォンとHygroSoftアプリ(ダウンロードとインストール)を使用して送信器と接続
PC:
PCを介してNFC無効化機能を使用する前に、NFC-USB-READERをPCに接続し、デバイスをNFCリーダーに置いてください。
メニュー「エクストラ」->「NFC無効化」をクリックすると、「不明なデバイス」の表示が現れます。

スマートフォン:
「Read」をクリックし、スマートフォンをデバイスのNFCロゴに置いてください。
「Read」をクリックすると、読み取ったデバイスがHygroSoftに表示されます。

デバイスの読取り後、スマートフォンまたはNFC-USB-READERをデバイスから取り外すことができます。
その後、次のプロパティを調整することができます(デバイスによって異なります):
デバイス
演算:
湿度と温度に基づいた演算値を選択できます(例:露点、霜点、蒸気圧など)。演算値が選択されると、計算された値がトランスミッターの3行目(オプションのディスプレイのみ)に表示されます。演算値が選択されていない場合、デバイスの説明がディスプレイに表示されます。
アナログ出力1
-
各アナログ出力のパラメータを選択:
- 相対湿度(パラメータ1)
- 温度(パラメータ2)
- 計算
- 使用しない
-
出力範囲(HygroFlex Advanced Transmitters 3/4ワイヤーまたはデジタルの場合のみ):
- 0(4)…20 mA、0…5(10) V
-
スケーリング:
- 出力スケール ロー/ハイ
アナログ出力2
-
各アナログ出力のパラメータを選択:
- 相対湿度(パラメータ1)
- 温度(パラメータ2)
- 計算
- 使用しない
-
出力範囲(HygroFlex Advanced Transmitters 3/4ワイヤーまたはデジタルの場合のみ):
- 0(4)…20 mA、0…5(10) V
-
スケーリング:
- 出力スケール ロー/ハイ
単位
- 湿度、温度、計算についてメートル法と帝国単位を切り替えることができます
RS485設定(オプション)
-
異なるModbusおよびRS485ネットワーク設定を行います(HF5Aデジタルの場合のみ):
- Modbus RTUアドレス
- バイト順序
- ボーレート
- パリティビット
- ストップビット
個々のプロパティが定義されたら、「Write 」をクリックし、スマートフォンまたはNFCリーダーをデバイスに置きます(NFCロゴの位置)。
デバイスが正しく再構成されると、「Write OK」と表示されます。

NFC設定 スマートフォン #
この機能は、NFCをサポートするデバイスでのみ利用可能です。詳細については、こちらをご覧ください:サポートされているデバイス
NFC対応デバイスでは、NFC無効化機能を使用するための以下のオプションがあります:
- NFC-USB-READER:PCおよびNFCインターフェースを備えた送信用USBケーブル付きNFCリーダー
Step1

1) スマートフォンをトランスミッターのNFCロゴの上に置いてください。
Step2

1) 右上の設定をクリックし、NFC無効化をクリックしてください。
Step3

1) スマートフォンをNFCタグの近くに置いてください。
Step4

1) スマートフォンが接続されると、上の画像が表示されます。
Step5

- 設定を読み取る
- 設定を変更する
- 設定を書き込む
NFCアンテナ スマートフォン #
以下にNFCアンテナの参照をご覧ください:
この機能は、NFCをサポートするデバイスでのみ利用可能です。詳細については、こちらをご覧ください:サポートされているデバイス
NFC対応デバイスでは、NFC無効化機能を使用するための以下のオプションがあります:
- NFC-USB-READER:PCおよびNFCインターフェースを備えた送信用USBケーブル付きNFCリーダー
Step1

1) iPhoneのNFCアンテナの位置
Step2

1) SamsungのNFCアンテナの位置
Step3

1) 異なるスマートフォンにおけるNFCアンテナの位置