ジルコニア式 酸素濃度計の測定原理
酸化ジルコニウムセンサーは、固体電気化学セルの原理に基づいています。イットリア安定化酸化ジルコニウム層は、通常+600°C~+700°Cに加熱されると酸素イオンが高濃度から低濃度に流れる固体電解質(イオン導電性固体)の性質を持ちます。イオンが位相間を移動すると、内外電極間に酸素濃度比による起電力が発生し、酸素濃度を決定します。電極間の酸素濃度の差が大きいほど、生成される電圧が高くなり、100%から100万分の1未満(ppmレベル)までの測定が可能になります。
- 酸化ジルコニウム(ZrO2)酸素センサーの特長
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- ●固定電解質
- ●乾式
- ●酸素イオンの淡から濃への移動を補助する
異なる酸素濃度のガスを流すことで酸素イオンに流れが生じ、イオン流が生じることで電流値に差が表れ、電流値を酸素濃度として測定しています。一般的にはサンプルガスはサンプルより濃度が低いものを使用し、電流値(酸素分圧の比)を測定します。
酸化ジルコニウム酸素センサーは、高温下でのみ活性化する特性があり、高温下でないと使用ができません。
酸化ジルコニウム酸素センサーは、そのままサンプルラインに暴露(取付け)するだけで測ることができるので、サンプリングシステムなどの専用の設備を必要としません。さらに、大気を基準として用いているので、リファレンスガス及び比較用に特別なガスを用意する必要もありません。
しかし、サンプルに可燃性物質が含まれている場合、酸素センサー自身を高温に保っているため燃焼反応を引き起こす危険性を含んでいます。サンプルライン上に酸素が含まれていたとしても、燃焼反応によって酸化ジルコニウムに含まれる酸素を消費してしまうため、可燃性ガスの測定には向いていません。
最大のメリットは、「測定レンジの自由度が高い」