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圧縮空気とは?露点と圧力下露点の違いや水分測定の重要性を解説
圧縮空気とは?露点と圧力下露点の違いや水分測定の重要性を解説
圧縮空気は、医薬品製造や食品製造など、あらゆる製造現場で使用されています。スマートフォンやタブレット、パソコンなどの製造でも圧縮空気は使用されており、製品の品質維持に欠かせないものと言えるでしょう。
今回は、製造現場に必須の圧縮空気についてご紹介します。露点や圧力下露点など、圧縮空気や製造現場に関係することも合わせて解説するので、ぜひご一読ください。
そもそも露点とは?
露点とは、空気中に含まれる水蒸気が水滴になり始めるときの温度です。
空気中には水蒸気が含まれていますが、空気中で保持できる水蒸気の量には限界があり、1m3あたりに含むことができる水蒸気の最大量「飽和水蒸気量(g/m3)」は温度によって左右されます。温度が高いと飽和水蒸気量は大きくなり、多くの水蒸気を含むことができますが、空気中の水蒸気量が飽和水蒸気量を上回ると気体だった水蒸気は水(結露・結氷)へと変化します。
このときの温度を「露点」といい、水蒸気がぎゅっと凝縮して水滴になることから、露点温度は圧縮空気の水分量を示す数値でもあると言えるでしょう。
詳しくは、こちらのブログ記事もご覧ください。
露点と「圧力下露点」の違い
露点とつく言葉に「圧力下露点(PDP)」があります。前述したように、露点は「空気中の水蒸気が水滴になり始めるときの温度」ですが、圧力下露点は「大気圧を超える圧力下にある気体(圧縮空気)の含水量(水蒸気が凝結しはじめる際の温度)」を示すときに使用する用語です。
例えば、パイプ(配管)内にある空気に圧力をかけたとき、空気に含まれる水蒸気は凝縮して水になります。そのときの温度が圧力下露点であり、気体にかかる圧力が変化すると気体の露点温度も変化します。
圧縮空気とは?
こちらでは、圧縮空気の概要や乾燥の重要性などについて解説します。
概要
圧縮空気とは、その名のとおり「高圧下にある空気」です。主な成分は空気なので、酸素(21%)、窒素(78%)、その他の運動エネルギーを有する空気分子(1%)から構成されています。
空気を圧縮すると、空気分子の運動エネルギーは大きくなります(空気分子の動きが速くなる)。動きが速くなると「圧縮熱」が生まれ、空気の温度は上昇。ぎゅっと凝縮された空気は放出される際のエネルギーも大きくなるため、圧縮空気はエネルギーの蓄積・伝達に優れていると言えます。
圧縮空気は医薬品製造や食品製造など、あらゆる分野の製造工程で使用されており、液体噴霧や包装、乾燥など幅広い製品に活用されています。圧縮空気は製品に直接触れるため、汚染物質の有無といった品質・衛生面が課題です。圧縮空気における汚染物資はさまざまですが、圧縮空気を供給する際には汚染物質を除去し、品質を担保することが求められています。
しかし、圧縮空気の製造工程で汚染物質を除去しても、実際に使用する場所で汚染物質が混入してしまうと意味がありません。そのため、圧縮空気を使用する際にも、品質に問題がないかを確認することが大切なのです。
圧縮空気の乾燥が重要となる理由
圧縮空気の乾燥は、圧縮空気を管理するパイプや機器の破損を防ぐほか、製品の品質担保に重要な役割を果たします。
ご存知のとおり空気には水蒸気(水分)が含まれており、空気中に存在できる水蒸気量には限りがあります(飽和水蒸気量)。飽和水蒸気量は温度によって異なっており、気温が高いほど飽和水蒸気量は大きく、空気中に多くの水蒸気を含むことが可能です。
気温(℃) | 0 | 5 | 10 | 15 | 20 |
飽和水蒸気量(g/m3) | 4.85 | 6.81 | 9.41 | 12.8 | 17.3 |
空気に圧力をかけて高圧状態にすると、体積あたりの水蒸気量は増加。圧力によって空気中の水蒸気は液化(凝縮)し、それが水滴となって現れます。また、冷却によって圧縮空気の温度が低下すると飽和水蒸気量は小さくなり、空気中に溶け込めなくなった水蒸気が水滴になります。
これらの水分は機器の腐食・破損を招きます。腐食によって生じる腐食生成物(さび など)は、機器のバルブや継ぎ手、機器そのものを制御する重要部品を破損させて耐用年数を短くしてしまうのです。
さらに、寒い環境だと水分は凍ります。仮にパイプや接続機器の内部で水分が凝結すれば、製造工程に大きな障害をもたらすことも充分あり得るでしょう。
あらゆる製造の現場において、水分は厄介な物質です。たった一滴の水が品質を低下させることもあるため、圧縮空気の乾燥は決して無視できない重要な工程と言えます。
圧縮空気の規格にある汚染物質
こちらでは、圧縮空気の規格に記されている汚染物質の一部をご紹介します。
固体粒子
固体物質でできた粒子であり、コンプレッサー(圧縮機)の周辺に浮遊する塵埃(じんあい)などが挙げられます。
水分
樹脂製のパイプを使用すると、パイプ周囲の水分が内部に浸透して露点温度が上昇します。
オイル
6つ以上の炭素原子で構成された炭化水素のこと。オイルの状態によって「オイルミスト」と「オイル蒸気」に分けられます。前者は気体中に浮遊する液状オイルで、後者は気体として存在するオイルです。
圧縮空気の管理における露点の重要性
圧縮空気の管理では、露点の知識が必須です。仮に圧縮空気を運ぶパイプが冷やされてしまったとき、内部の圧力によって露点が高くなるとパイプの凍結や閉塞、破損を招くこともあるでしょう。
また、水分が生じることでパイプだけではなく管理している機器そのものも正常に働かなくなるおそれがあるため、露点や圧力下露点の管理が重要と言えるのです。
圧縮空気の管理における露点の重要性
圧縮空気の露点温度の範囲は、周辺温度から-80℃までと広範囲です。また、特殊な状況下ではさらに下回ることもあります。
空気が圧縮されると露点温度は上がりますが、仮に露点温度と周辺温度の差が開くと、2つの温度が同じになるまで結露などの余分な水分が生じます。また、冷却式ドライヤーがついたコンプレッサーでは、圧縮空気を冷却式熱交換器に通すことで結露が生じやすくなるため、乾燥システムによって水分の管理・除去を行うことが重要です。
圧縮空気の水分測定方法とは?
こちらでは、圧縮空気の水分測定(露点計測)について押さえておくべきことを解説します。
自社の環境にあった測定範囲の機器を選ぶ
水分測定に用いる機器は、すべて同じではありません。測定範囲や圧力特性などに特徴があるため、自社の環境に適した機器を選ぶことが大切です。
例えば、高露点の計測をする際、低露点の測定に適した機器を使用しても正しく機能しないでしょうし、自社の機器の圧力下では使用に適さない機器もあるはずです。測定項目を後々修正しなくてはならないケースも出てくるかもしれないため、余計な手間をかけないためにも自社に適した機器を選ぶことが大切です。
圧縮空気の露点計測は品質担保に必須
圧縮空気の露点について、理解しづらいこともあるかもしれません。しかし、圧縮空気を管理する上で、露点や圧力下露点の知識は必要なもの。圧縮空気と管理する機器の仕組みを理解し、その上で水分などの汚染物質が発生しないように努めることが大切です。「工場で水分が発生して困っている」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
圧縮空気の運用・管理では、品質管理のための露点計・酸素濃度計も検討が必要
温度差などによって生じる水分は、圧縮空気の品質を低下させる代表的な汚染物質です。水分が出ないようにする、または水分が生じても速やかに除去することが大切なので、品質管理と安全性の確保のためにも、圧縮空気の管理では露点計の使用も検討しましょう。
露点計測・酸素濃度計測などでお困りの際は、 ミッシェルジャパン株式会社までご相談ください。
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ミッシェル社(イギリス)および鏡面冷却式露点計の詳細は、下記URLをご覧ください。
Application Note: ーー | |
アプリケーションノートはございません。 | |
ミッシェル社紹介ページ | https://processsensing.co.jp/wp_pst/about-us/michell-instruments/ |
静電容量式露点計 Easidew Transmitter |
https://www.processsensing.co.jp/products/easidew-transmitter/ |
微量水分トランスミッター Pura Transmitter |
https://processsensing.co.jp/wp_pst/products/pura-transmitter/ |
テクノロジー紹介 | https://processsensing.co.jp/wp_pst/support/technology/ |
露点測定のよくある質問 | https://processsensing.co.jp/wp_pst/support/faq/ |
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