アプリケーション
酸素濃度測定とガス生成アプリケーション, PST22-03

目次
    ●PSA方式 VS メンブレン方式
    ●なぜガス生成が求められるのか?
    ●窒素ガスユーザー 産業とアプリケーション
    ●酸素ユーザー 産業とアプリケーション
    ●ガス生成における他の目的とは?
    ●酸素センサーの役割とは?
ガス生成アプリケーションと酸素測定の関係, PST22-03
    
ガス生成アプリケーション
    大気は、窒素78%、酸素20%、アルゴン0.9%、二酸化炭素0.038%と微量のその他ガス(水素、ネオン、ヘリウム等)から成り立っています。窒素および酸素は、圧縮乾燥空気を使用した3つの異なる手法で生成することができます。
     
       1.極低温技術(液化)
       2.圧力変動吸着法(PSA 法)
       3.メンブレン方式(常温吸着式/触媒式)
  
極低温技術を利用したガス生成<
    世界市場の窒素供給量の約85%は、極低温分別蒸留技術を利用して生成されています。乾燥したクリーンな圧縮空気を極低温に冷却することで、空気から液体窒素、液体酸素、および液化アルゴンを分離します。
     
       ●液体酸素 -183℃
       ●液化アルゴン -186℃
       ●液体窒素 -196℃
     
    液化ガスは輸送に適しており、簡単に気化するので異なる工業種別にわたる多様なアプリケーションに容易に適しています。極低温ガス技術は、純度の高い個々のガス生成が可能です。純度は、一般的に純度パーセンテージの9の数に基づいて示されます。例えば、純度5 9(ファイブナイン)は99.999%の純度を示しますが、別の視点から見るとガスには10ppmのコンタミが含まれることを意味します。
     
    極低温分離の簡略化したプロセス図を以下に示します。
     
    
  
圧力変動吸着法(PSA 法)
    
 圧力変動吸着法(PSA法)を利用してユーザーは必要なガスを自身で生成することができます。 PSA法は、一般的に乾燥剤式工業用ドライヤーを用いた圧縮空気の乾燥工程でみることができます。
     
    乾燥剤(モレキュラーシーブ)をカーボンモレキュラーシーブに置き換わることで窒素が生成され、ゼオライトモレキュラーシーブに置き替えることで酸素が生成されます。 圧縮空気工業用ドライヤーのツインタワー設計は、モレキュラーシーブを反応させるために処理ガスでフラッシュ/パージする必要があります。
     
    PSA法を利用して生成された窒素は、通常95%~99.99%の純度で、純度レベルは乾燥剤を通過する時間により決まります。 PSA法を利用して生成される酸素は、通常95%の純度です。 純度95%で第2段階を通過すると純度99%を達成します。
     
    左記は、PSA法ガス分離の簡略化されたプロセス図です。
  
メンブレン(常温吸着式/触媒式)方式
    
  圧力メンブレン方式は、選択的透過プロセスを利用してターゲットの分子を乾燥したクリーンな圧縮空気から分離する方式です。透過プロセスでは、どのガスを通過させるのかが繊維の多孔質膜によって決められます。
     
    メンブレン方式によって生成された窒素は、PSA方式と同等レベルの95%~99.9%純度レベルを持っています。メンブレン方式およびPSA方式によって生成される酸素は、一般的に約95%の純度となります。
     
    メンブレンガス分離方式の簡略化したプロセス図を右記に示します。
  
PSA方式 VS メンブレン方式
       ● PSA方式は、より高純度レベルに最適な生成が可能です
       ● PSA方式の運用コストは低いです
       ● メンブレン方式の初期コストは低くなります
       ● メンブレン方式はメンテナンスが簡単で、遠隔地での設置に適しています(海洋アプリケーション等)
  
なぜガス生成が求められるのか?
       ● オンデマンド生産
       ● 独立した操作
       ● 各アプリケーション向けのカスタム純度
       ● 運用コストの削減
       ● 液体の蒸発に関連した損失を削減する
       ● 未使用の貯蔵シリンダーに関連した損失を削減する
       ● 長期契約がない
       ● 取り扱いリスクの低減
  
なぜガス生成が求められるのか?
| 飲料 (コーヒー、ワイン、醸造、生鮮食品)  | 
加工/保管/瓶詰め/炭酸化 | 
| 化学製品および製油所 | ブランケット/パージ | 
| エレクトロニクス | リフローはんだ付けオーブン ウェーブはんだ付け 部品のクリーニングと保管  | 
| 防火システム | 不活性化とパージ - 石油とガス/化学/データバンク | 
| 食品 | 包装内の雰囲気調整 生鮮食品の保管  | 
| 金属の製造と処理 | プラズマおよびレーザー金属切断 レーザービームパージ  | 
| 製薬 | ブランケット/パージ - 製品の輸送/保管および梱包 噴霧乾燥 研究開発-グローブボックス/分離  | 
| 半導体 | 制御環境の不活性化 危険なガスラインのパージ  | 
| 鉄鋼業 | 熱処理 炉/焼きなまし/焼結  | 
酸素ユーザー 産業とアプリケーション
| 養殖と養魚 | 高密度の生簀環境の水中の酸素状態を改善する | 
| ろう付け | かまど/松明 - 温度を上げる | 
| 呼吸/医療用酸素 | 病院/呼吸シリンダー/密閉空間 | 
| 吹きガラス | オーブン/トーチ - 温度を上げる | 
| 金鉱 | シアン化物浸出プロセスで使用される酸素 | 
| 紙パルプ | 製造における脱リグニンおよびその他のプロセス | 
| 下水/廃水処理 | 生物解速度を上げる | 
| 鉄鋼業 | 脱炭用の炉 | 
ガス生成における他の目的とは?
    極低温分離プロセスは、蒸留により微量なガス成分を生成することもできます。アルゴン(0.93%)は大気中に存在し、成分中で3番目に大きい成分です。アルゴンは、プラントと処理施設に追加で設備を加えることで窒素と酸素の極低温分離プロセスの副産物として生成できます。
     
    LDetek社 MultiDetek3 を使用してアルゴン純度の測定が可能です
    
  
酸素センサーの役割とは?
エアセパレーション分野は、多くのアプリケーションがあります。酸素センサーの最も一般的な用途は、空気分離プロセスからのガス純度を測定することです。
プロセスのどこに酸素センサーは取り付けられていますか?
酸素センサーは、空気分離装置から施設/貯蔵容器までの出口配管に取り付けられています。
ユーザーのメリットは何ですか?
       ● 発電システムの効率
       ● 既知のガス品質の可視化
  
ユーザーは何に気を配るべきですか?
    ●測定精度
    計測器は、多くの場合ガス純度測定の唯一の手段です。SenzTxの出力は、通常、ガスの生成を制御するためのアラーム設定を持った制御システムに接続されます。測定精度は、生成物の品質管理に影響を与えます。
     
    ●校正間隔
    校正時間 = 経済的コスト
    定期校正周期を予想し、校正作業(期間)は速やかに実施することが求められます。一般的なジルコニア式酸素センサーは、定期校正(年1回)/点検を行います。
     
    ●信頼性
    ガス生成工程は、多くの場合、工場内の閉鎖された区画にあり、地下室にある場合もあります。生成環境は測定環境として良いとは言えません。高温で温度変化が激しく、電気的なノイズが多く、振動が問題になる可能性があります。SenzTxは、これらの条件下において長期的な信頼性と測定性能を発揮することが証明されています。
  
どのようなユーザーに販売されていますか?
    ●OEMメーカー
    ガス生成では少量および低純度のメンブレン方式(常温吸着式/触媒式)から、高純度のPSA方式まで可能性があります。軽工業から製薬、海洋まで、さまざまな環境において、多様な要求を満たすことができるさまざまな製品ラインナップがあります。
     
    ●エンジニアリング
    新施設の建設および改修
     
    ●住居、オフィス
    病院、クリニック、製薬施設、商業施設、または倉庫など。測定要件を満たすために指定された位置に設置することが求められます。
     
    ●エンドユーザー
    生成から貯蔵、輸送、使用ポイントまで、複数の測定ポイントを持つちます。
  
推奨製品のご紹介
| 要求 | PST Ntron | PST SST | PST Michell | PST AII | 
| ppm | 
          SenzTX  Microx  | 
          GPR1900  GPR18  | 
||
| % | 
          SenzTX  Microx SIL O2  | 
          OXY-LC | 
          XTP501  XTP601  | 
| 要求 | PST Ntron | PST SST | PST Michell  | 
PST AII | PST LDetek  | 
| ppm | 
          SenzTX  Microx  | 
          GPR1900 GPR18  | 
Ld8000 | ||
| % | 
          SenzTX  Microx SIL O2  | 
          OXY-LC | 
          XTP501  XTP601  | 
| 要求 | PST Ntron | PST SST | PST Michell  | 
PST AII | PST LDetek  | 
| ポータブル | 
          YB | 
GPR1200 | |||
| リファレンス | XZR400 | Ld8000 | |||
| 補助 | 
          Gasenz | 
          Liquid Level  | 
          ED TX  MDM300 XTC  | 
          MD3 | 
    Ntron社SenzTxは、モニター(表示器)と一緒に使用せずとも単体で使用可能なプラグアンドプレイトランスミッターです。酸素センサーは、ジルコニア式または電気化学(ガルバニ電池)式から選択し、ppmまたは%O2で提供されますフロースルーブロックおよび4…20mAアナログ信号出力によりガスフローへ簡単に導入できます。デジタル通信を必要とする場合に備えRS485を持っています。
    NISTによるトレーサブルな校正証明書は、校正の信頼性を示します。
  
    酸素トランスミッターSenzTX
    https://processsensing.co.jp/wp_pst/products/senztx/ 
  
酸素センサーをジルコニア式または電気化学(ガルバニ電池)式から選択できるリモートセンサーとモニターで構成されています。モニター部はLCDディスプレイと構成可能なアラーム接点x3があるので、その他のHMIや制御システムの使用を検討しない、アプリケーションに適しています。
    酸素濃度計Microx
    https://processsensing.co.jp/wp_pst/products/microx/ 
  
アプリケーションノートを入手する
      本記事のアプリケーションノートを公開しています。
      下記、リンクよりダウンロード可能です。
  
      Application Note: PST22-03 ガス生成アプリケーション
      アプリケーションをダウンロードする 
  
      関連ページ
      酸素計製品一覧 ページを確認する  
      テクノロジー紹介 ページを確認する 
  
お問い合わせ窓口
      
本記事および掲載製品についてのお問い合わせは、下記窓口でお待ちしております。
  
      ミッシェルジャパン株式会社 モイスチャー事業部
      info@michel-japan.co.jp
       
      または、「お問い合わせ」  よりご連絡ください。
  


