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光学式酸素測定の測定原理

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酸素濃度計の測定原理とは - 光学式酸素測定

そもそも「酸素」とは?

「酸素」(さんそ/Oxygen)とは、何でしょうか?

一般的に「酸素」としての言葉の意味は2種類あり、元素としての酸素は「O」、物質(分子)としての酸素は「O2」です。

酸素は、無味無臭の気体で空気中に約21%含まれています。生物の呼吸や、燃焼に不可欠で、ほとんどの元素と化合して酸化物を形成するなど、化学的に活発な元素です。

酸素は、医療分野では吸入用酸素や室内空気品質管理、工業分野では水素やアセチレンと組み合わせた酸素アセチレン炎として金属の溶接切断用途や、工業熱処理プロセス(酸化防止)、工業炉の燃焼工程(燃焼効率や酸化還元プロセス)、製鉄所では不純物除去のために使用されます。

酸素とは

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光学式酸素測定の測定原理

光学式酸素センサーは、酸素分子と有機金属化合物間の発光と消光現象に基づいています。
物質(有機金属化合物)には、エネルギー変化(吸収放出)に応じて、そのエネルギーを光で放出する特性をもつ物質があり、一般的に発光体(ルミネッセンス)/蛍光体を呼ばれます。

SST社設計開発 LuminOx(ルミノックス)酸素センサー

LuminOxセンサーの特長は、発光(ルミネセンス)の減衰進度から酸素濃度を測定することです。
これは、従来のジルコニア式(濃淡電池式)や電気化学式、ガルバニ電池式の酸素測定とは全く異なる分析手法です。酸素センサーには、鉛などの有害物質を含む製品(例えば、ガルバニ電池式など)もあります。光学式センサーは、発光消光現象に基づいているので有毒物質(鉛など)を含まず、RoHSに対応した非消耗型のセンサー構造です。

非消耗型のセンサーは、大きく2つのメリットがあります。
  1. センサーが時間の経過とともに消耗しない
  2. 測定酸素量にセンサー消耗度が依存しない

Edinburgh

光学式酸素センサー『LuminOx』の動作原理

LuminOxセンサーは、センシング部の構成部品点数も少なく、青色LED、ダイクロイック・ミラー、フォトダイオードとPCBから成り立っています。

センシング

青色LEDからの光線は、一定の強さでコーティングされたダイクロイック・ミラーに照射されます。光線がミラーを透過する際にミラーが干渉フィルターの役割を担うことでフォトダイオードは、特定の波長の光のみを選択的に受け取ることができるようになります。

この励起された発光(ルミネセンス)現象の減衰進度は、特定の温度で酸素進度に反比例します。青色LEDから選択的に取り出された光は、高精度温度センサーを搭載したPCBに取り込まれ、タイミング回路で処理されます。この温度センサーと高分解能の大気圧(圧力)センサーをPCBに搭載することで酸素の分圧が計算できるようになり、最終的に酸素濃度(パーセント)が算出されます。さらに、PCBに搭載されている大気圧センサーを活用することで、高度や真空度に合わせた測定も可能です。

これらの情報(酸素分圧、温度、圧力、酸素濃度)は、UART経由で外部に出力されます。

LED

青色LEDがONになると、発光(ルミネセンス)現象により振幅が増加します。

この発光(ルミネセンス)の減衰率は、低酸素濃度ガスの場合、減衰進度が下に向かって緩やかな勾配になります。

減衰率グラフ1

高酸素濃度ガスの場合、急減します。

減衰率グラフ2

これは酸素が混ざったサンプルガスの場合、その酸素がダイクロイック・ミラーのコーティング材に含まれる石英と結合して発光を抑える働きをするため、発光の減衰進度に影響が現れます。この減衰進度は、タイミング回路で測定され、その他の温度、圧力パラメータとともに計算され、最終的に酸素分圧及び酸素濃度が導き出されます。

光学式酸素センサー『LuminOx』のメリット

部品が少なく、非消耗型のセンサー構造でメンテナンスの複雑さと頻度が大幅に削減されます。また、センサーに有害物質を含ないRoHS対応センサーです。特許取得済み(SST社)の技術により、低電力動作と長寿命を提供するセンサーを提供することができます。

一般的な、光学式酸素センサーの測定では温度と圧力の一定にすることが求められますが、LuminOxセンサーは温度センサーと圧力センサーを内包し、圧力と温度変化を補正します。

特長
  • 真空で使用可能
  • 圧力変化の影響を受けない
  • センサー寿命が長い
  • 酸素に選択的に反応する
推奨アプリケーション
  • ポータブル酸素発生器
  • 環境測定チャンバー
  • 生鮮食品の貯蔵
  • 3Dプリンター
  • インキュベーター
  • ネブライザー(吸入器)
  • 半導体ウェハー装置
  • 埋立地ガス
気化学(ガルバニ電池)式 酸素濃度計のご紹介
SST Sensing Ltd
LuminOx  光学式酸素センサー
LuminOx 
非消耗型のセンサー技術のため長寿命と停電力動作が特長です。また、鉛や電解質液などの有害物質を含んでおらず、RoHSに対応したセンサー構造となっています。 測定範囲:0~25 %O2
応答時間:T90 < 30秒(Typ)
LuminOx Flow-Through 光学式酸素センサー
LuminOx Flow-Through 
フロースルーハウジングスタイルは、密閉されているため、プロセス環境から完全に切り離したクリーンガスのサンプルストリームをセンサーに送ることが可能になります。  測定範囲:0~25 %O2
応答時間:T90 < 30秒(Typ)
LuminOx Sealed 光学式酸素センサー
LuminOx Sealed 
密閉されたベースを備えた気密性が特長で、保護膜を備えたセンサーのフロント部分だけがサンプルガスが通過するアプリケーション向けです。 測定範囲:0~25 %O2
応答時間:T90 < 30秒(Typ)
LuminOx Evaluation Interface Board LuminOxシリーズ用 インターフェース
LuminOx Evaluation Interface Board 
最小限の手順及び設計作業で光学式酸素センサー LuminOx を簡単に評価できるように設計された専用のボードです。 電源電圧(Vs):4.5V-5.25VDC 供給電流(ls):<50mA